ニッポンものづくりフィルムアワード2024で
グランプリを受賞しました
百姓庵様は、山口県長門市・油谷島の自然豊かな地で営まれています。
瀬戸内海と日本海が交わる独特の環境が生み出す海水を用いて、昔ながらの平釜製法を守り続ける製塩所です。そこに流れるのは「手間暇を惜しまず、自然の恵みをそのままお客様へ届けたい」という想い。便利さや効率とは違う、自然に寄り添う営みの中から、ほんものの塩づくりが続けられています。
百姓庵様の「百姓」とは、古くは「百の仕事をする人」という意味を持ち、農業や漁業、手仕事など、自然と関わりながら暮らす人々の姿を示しています。その精神を受け継ぎ「一次産業の本質」を探求しながら、塩を中心とした食の文化を次世代へつなぐ活動をされているのです。
塩作りは、太古の海水に近いミネラルバランスを目指すことから始まります。
自然豊かな海水を汲み上げ、太陽と風の力だけでゆっくりと水分を蒸発させる立体式塩田で、約2週間かけて塩分濃度をじっくりと高めます。
その後、鉄釜で約4日間焚き上げて結晶化させますが、この工程が味の決め手となります。特に、苦味や雑味の原因となるにがりを、五感を頼りに絶妙なタイミングで抜いていきます。
そして最も重要なのが「天地返し」という技法です。
結晶化した塩をまんべんなく混ぜ合わせることで、ミネラル分を均一にいきわたらせ、海の恵みそのものを感じられる奥深い味わいを生み出します。さらに、杉樽でじっくりと寝かせることで、にがりを繊細に抜き、まろやかな旨味を閉じ込めているのです。